ドゥカティ一強になりつつあるMotoGP
2年連続で優勝・ドゥカティ一強状態に
現在のMotoGPは、ドゥカティの独壇場になった感があります。
たとえば2023年シーズンを振り返ってみると、4チーム8台がドゥカティ系として参戦しており、18戦中15勝を記録している状態です。
かつてはホンダやヤマハの後塵を拝する状況が続いていたのですが、2年連続でチャンピオンを獲得するなどライバルチームを完全に凌駕しています。
では、かつてのチャンピオンだったホンダやヤマハはどうかというと、ドゥカティの足元にも及ばない苦戦の状態がしばらく続いています。
たとえば2023年シーズンを見てみると、コンストラクターズランキングでヤマハは4位、ホンダも5位という状況で、かつての常勝軍団とは言えないような状況が続いています。
ドゥカティがほかのチームと比較して、強力な体制を敷いていることは明らかです。
しかしMotoGPでは、今後他のメーカーがドゥカティに追い付けるようにレギュレーションを変更するのではないかとみられています。
2024年以降レギュレーションが変更する
2024年以降、いくつかのルール変更が検討されています。
まずタイヤについてで、現在ライダー1人当たり、グランプリとテスト両方合わせて1シーズン当たり200セットのタイヤが使用可能です。
これを上位のドゥカティには170セット、ヤマハやホンダのような下位チームは230セット使用できるようにするというものです。
プライベートテストの日数は従来通りですが、使えるタイヤのセット数が上位チームは少なくなるので、自由にテストも行えなくなります。
テストが行えなければ、マシンの熟成にも制限が加わるので戦闘力をなかなか上げられなくなります。
またワイルドカード枠の数も、獲得ポイントをベースに決められる形になるといいます。
現状日本のメーカーは数多くのワイルドカード参戦が可能ですが、一方トップのドゥカティは招待枠が一切使えなくなります。
このように上位チームにはハンデを、下位チームにはアドバンテージが発生します。
ちなみにドゥカティはこのようなレギュレーション変更を受け入れると言われていますが、KTMやアプリリアは難色を示しているといわれています。
現在のレギュレーションの変更案だけでは不十分で、もっとドゥカティに対する制限を求めていると言うのです。
具体的には、タイヤのセット数を先ほど紹介した170セットではなく、さらに少なくして140セットにまで減らせと要求しています。
その他にも、現在は年間ライダー1人当たり7基までエンジンが使用できますが、このエンジンの基数制限の改正も求めているといいます。
ドゥカティのような上位コンストラクターは、さらに使用できるエンジンの基数の上限をさらに少なくしてくれと要望しているのです。