MotoGP日本メーカーは弱くなったのか
日本メーカーが急激に勝てなくなっている
motoGPで2016年からホンダが4連覇し、それに続いてスズキとヤマハがチャンピオンとなった時、多くの人は日本メーカーの圧倒的優位が続くことを確信していたことでしょう。
とはいえ、続く2022年には日本メーカーのバイクがほとんど勝てなくなりました。
実際チャンピオンとなったのは「ペコ」の愛称で知られるフランチェスコ・バニャイアで、彼が運転しているのはイタリアのバイクメーカーであるドゥカティです。
全21戦の中で7勝し、表彰台も10回という圧倒的な強さを見せつけました。
2022年の総合2位となったファビオ・クアルタラロが運転するのは同じくイタリアのバイクメーカー「アプリリア」、総合3位となったエネア・バスティアニーニもドゥカティのサテライトチームである「グレシーニ」の所属となっており、1年を通じてイタリア勢の強さが際立つ結果となりました。
これに対して、日本勢のライダーは表彰台に上ることが難しくなっており、日本の各メーカーはマシンのアップデートが急務となっています。
チーム力の差が際立ったmotoGP
バニャイアの優勝に関しては彼の持つライダーとしてのスキルに加えて、チームとしての総合力が日本メーカーを上回ったという点も注目されています。
というのも、ドゥカティはコンストラクターズポイントとチームポイントでもトップを飾っており、motoGPのポイントランキングで三冠を達成しているからです。
特にコンストラクターズポイントでは、ドゥカティの448ポイントと比較して、ヤマハは2位となったものの256ポイントとおよそ200ポイント差を付けられています。
スズキは199ポイントで5位、ホンダは155ポイントで6位で、遠く及びません。
特にホンダは前半戦を終えた時点で表彰台が1度もなく、コンストラクターズポイントは驚きの最下位に沈んでいました。
未来に向けた勝算はあるか
スズキはmotoGPから2022年シーズンをもって撤退したため、残されたヤマハとホンダに掛かる期待は非常に大きくなっています。
特に、ホンダはマーク・マルケスという絶対王者のスキルを生かす設定を模索していくことになるでしょう。
ただし、ボディーの剛性やコーナリング性能に関してはイタリアメーカーのマシンが上回ってるとされていることから、エンジンのポジショニングを含めた車体のデザインに大きな変更を加える可能性は十分にあります。
特にエンジンのサイズが800ccになってスピードによる差が出にくくなったことから、日本メーカーが重視してきたスムーズな加速よりもコーナリングにおける安定性が向上しないとなかなか勝算を見出すことは難しいでしょう。