日本で電動バイクが普及しづらい理由とは
電動バイクのメリットとは
電動バイクが持つ最大のメリットは、燃料コストが安いという点でしょう。
電動バイクは、1回のフル充電で35kmから40km程度走行することが可能です。
そして、充電にかかる費用は30円から35円程度となっています。
一方ガソリンを燃料とするバイクの場合、1Lの給油で35kmから40km前後の走行が可能です。
ただし、ガソリンはレギュラーであっても1Lあたり150円前後のコストがかかります。
ですから、ランニングコストという点では電動バイクが圧倒的に有利ということが分かるでしょう。
「低速での走行がスムーズ」という点も、電動バイクが持つ強みと言えます。
電気モーターは、低速の加速がガソリンのエンジンと比較して非常にスムーズです。
そのため、ハイブリッドカーでは「低速が電気、中高速はガソリン」というシステムが導入されています。
これはバイクに関しても同様で、ガソリンのバイクと比較して電動バイクは走り出しが大変スムーズです。
スロットルを回してからモーターがリアクションして動き出すまでのタイムラグがほとんどありません。
これは電動バイクを運転する際の大きな魅力と言えるでしょう。
加えて電動バイクはモーター音が小さく、騒音がほとんど気にならないというメリットもあります。
電動バイクを選ぶデメリット
「航続距離が短い」というのが、電動バイクの普及を妨げている理由でしょう。
先述の通り、現在発表されているモデルでは1回の充電で運転できるのは40km未満に過ぎません。
ですから、バイクを通勤や通学で使いたいという人やツーリングを楽しみたいという人には、使いづらい仕様となっているのです。
充電ができる公共スペースがほぼないというのも問題です。
EV車に関しては充電をするためのインフラ整備が徐々に進んできている一方、電動バイク向けの充電スタンドはまだほとんど見つけられないのが現状です。
実際、家庭用のコンセントがあれば簡単に充電作業はできてしまうため、公共エリアにおいて電動バイク向けのインフラ整備が行われるかどうかも不明といえます。
電動バイクの普及は当分先と考えられる
電動バイクの航続距離を伸ばす試みは、継続的に進められています。
ただ、バッテリーが大きくなるとその分車体としての重量が増えてしまうため、今度は燃費が悪くなってしまうというジレンマが生じており、その有効な解決策はまだ示されていません。
また、電動バイクの普及が進まないことで修理用のパーツなどもほとんど生産されていないため、故障したときの修理にかかる費用はかなり大きくなると考えられます。
そうした点を考慮すると、一般の消費者としてはますます購入を検討しづらい状況と言えるわけです。